静岡からの挑戦:シリコンバレー体験記〜学生×イノベーション拠点〜
自治体や金融機関が主催するイノベーション拠点は近年、学生スタートアップ(起業家育成)の支援活動に力を注いでいます。
本学学生も「ビジネスブーストプログラム」に参加し、この夏、静岡県の代表としてシリコンバレーでの短期研修を経験しました。
森島さんと脇坂さんのお二人に、その挑戦の経緯を伺いました。
本学学生も「ビジネスブーストプログラム」に参加し、この夏、静岡県の代表としてシリコンバレーでの短期研修を経験しました。
森島さんと脇坂さんのお二人に、その挑戦の経緯を伺いました。
森島駿太
(浜松大平台高等学校出身)
【本学物質生命科学科卒 ⇒ 本学大学院材料科学専攻】
脇坂泰清
(京都府立北嵯峨高等学校出身)
【本学コンピュータシステム学科卒 ⇒ 本学大学院システム工学専攻】
スタートアップへの「熱意」とアイデアの誕生
インタビュアー: お二人はもともとスタートアップや起業への関心はあったのですか?
脇坂さん:僕は高校時代からものづくりをしてきたので、何か自分の力でやってみたいという気持ちはありました。実際に大学で企業との共同研究を進めているうちに、「この技術で仕事ができるかも?」と思い、昨年研究室の仲間と起業しました。
森島さん:僕はスタートアップにはそんなに興味はありませんでした。大学では研究をしっかりとやって、技術を付けようと考えていました。研究室に配属され研究を進めていくうちに、研究にドハマりをしたんです。
研究で得た知識と技術をもって少しビジネスプランを考え、コンテストに出場しました。その際に、スタートアップ支援団体の方から声を掛けられて、色んな所に足を運ぶことになってからスタートアップに関心が深まりました。
インタビュアー: そんな2人は、静岡県の「ビジネスブーストプログラム」に参加し、シリコンバレー研修に参加するまでの経緯を教えてください。最終的に県代表5名のうち、お二人が選ばれた決め手は何だったと思いますか?
脇坂さん: このプログラムはあまり大規模な周知はされなかったのですが、選抜で最も重視されたのは「熱意」だったと聞いています 。選ばれたのは僕らを含め5人。
静岡県の他の大学に在籍している学生たちで、アイデアはサウナ事業や外国人医療支援など、多様でした 。
インタビュアー: その中で、お二人が提案した具体的なビジネスアイデアについて教えてください。
脇坂さん: 僕は「デジタルツイン」です 。現実世界を仮想空間上に再現し、リアルタイムのセンサー情報を反映することで、ロボットや自動運転などのシステムがより親和性の高い行動を取れるようにする構想です 。構想は大きいですが、今はビジネスプランの具体化を急いでいます 。
森島さん: 私は自身の研究テーマである超音波技術を使います 。金属加工に使われる液体(水と油の混合液)が微生物のせいで腐ってしまう課題に対し、超音波のキャビテーション現象で菌を物理的に殺菌し、薬剤を使わずに液を長寿命化するソリューションです 。企業とも連携し、既に検証を進めています 。
脇坂さん:僕は高校時代からものづくりをしてきたので、何か自分の力でやってみたいという気持ちはありました。実際に大学で企業との共同研究を進めているうちに、「この技術で仕事ができるかも?」と思い、昨年研究室の仲間と起業しました。
森島さん:僕はスタートアップにはそんなに興味はありませんでした。大学では研究をしっかりとやって、技術を付けようと考えていました。研究室に配属され研究を進めていくうちに、研究にドハマりをしたんです。
研究で得た知識と技術をもって少しビジネスプランを考え、コンテストに出場しました。その際に、スタートアップ支援団体の方から声を掛けられて、色んな所に足を運ぶことになってからスタートアップに関心が深まりました。
インタビュアー: そんな2人は、静岡県の「ビジネスブーストプログラム」に参加し、シリコンバレー研修に参加するまでの経緯を教えてください。最終的に県代表5名のうち、お二人が選ばれた決め手は何だったと思いますか?
脇坂さん: このプログラムはあまり大規模な周知はされなかったのですが、選抜で最も重視されたのは「熱意」だったと聞いています 。選ばれたのは僕らを含め5人。
静岡県の他の大学に在籍している学生たちで、アイデアはサウナ事業や外国人医療支援など、多様でした 。
インタビュアー: その中で、お二人が提案した具体的なビジネスアイデアについて教えてください。
脇坂さん: 僕は「デジタルツイン」です 。現実世界を仮想空間上に再現し、リアルタイムのセンサー情報を反映することで、ロボットや自動運転などのシステムがより親和性の高い行動を取れるようにする構想です 。構想は大きいですが、今はビジネスプランの具体化を急いでいます 。
森島さん: 私は自身の研究テーマである超音波技術を使います 。金属加工に使われる液体(水と油の混合液)が微生物のせいで腐ってしまう課題に対し、超音波のキャビテーション現象で菌を物理的に殺菌し、薬剤を使わずに液を長寿命化するソリューションです 。企業とも連携し、既に検証を進めています 。
イノベーション拠点での成長と支援
インタビュアー: お二人は大学だけでなく、地域のイノベーション拠点(FUSE、shipなど)も活用されていますよね。そうした場所の価値はどこにありますか?
脇坂さん: 学生だけでなく、地域の企業や起業家の方と出会える所に魅力があります。今回採択いただいた「ビジネスブーストプログラム」では、税理士や弁護士など専門家であるスペシャリストメンターに無料で相談し放題という支援が凄いと感じています。これは普通の学生ではできない経験です 。
森島さん: 私が研究などで得た技術を展開できないかと思案していました。イノベーション拠点や拠点が主催するイベントを通じて、私が考えているビジネスプランを発表し起業家の方などに壁打ちすることで、何が魅力で、何をプラスしていくと良いかがブラッシュアップできると感じています。
インタビュアー: シリコンバレーではどのような経験をされましたか?また、メンターの方々からはどのような指導を受けていますか?
脇坂さん: シリコンバレーでの経験は、プログラムの特典でした。もちろん貴重でしたが、個人的には、このプログラム全体の伴走支援(税理士や弁護士など専門家によるサポート)の方が、正直言って目的でした 。シリコンバレー行きは、この伴走支援を受けるための「きっかけ」だったとも言えます 。
森島さん: プログラムを通して、自分のアイデアをビジネスとしてどう社会実装するかという視点が深まりました。特に、現地のスタンフォードを訪れた際に、修士・博士の学生が給料をもらいながら研究を進めているという、日本の制度とは異なる環境を目の当たりにしたのは大きな刺激になりました 。
脇坂さん: そうですね。アメリカでは研究で給与をもらうのが当たり前という環境を知り、日本のスタートアップを取り巻く状況や、世界との差を肌で感じることができました 。
インタビュアー: なるほど。単に現地の様子を見るだけでなく、世界の最先端での研究やビジネスの「仕組み」まで学べたのですね。
脇坂さん: 学生だけでなく、地域の企業や起業家の方と出会える所に魅力があります。今回採択いただいた「ビジネスブーストプログラム」では、税理士や弁護士など専門家であるスペシャリストメンターに無料で相談し放題という支援が凄いと感じています。これは普通の学生ではできない経験です 。
森島さん: 私が研究などで得た技術を展開できないかと思案していました。イノベーション拠点や拠点が主催するイベントを通じて、私が考えているビジネスプランを発表し起業家の方などに壁打ちすることで、何が魅力で、何をプラスしていくと良いかがブラッシュアップできると感じています。
インタビュアー: シリコンバレーではどのような経験をされましたか?また、メンターの方々からはどのような指導を受けていますか?
脇坂さん: シリコンバレーでの経験は、プログラムの特典でした。もちろん貴重でしたが、個人的には、このプログラム全体の伴走支援(税理士や弁護士など専門家によるサポート)の方が、正直言って目的でした 。シリコンバレー行きは、この伴走支援を受けるための「きっかけ」だったとも言えます 。
森島さん: プログラムを通して、自分のアイデアをビジネスとしてどう社会実装するかという視点が深まりました。特に、現地のスタンフォードを訪れた際に、修士・博士の学生が給料をもらいながら研究を進めているという、日本の制度とは異なる環境を目の当たりにしたのは大きな刺激になりました 。
脇坂さん: そうですね。アメリカでは研究で給与をもらうのが当たり前という環境を知り、日本のスタートアップを取り巻く状況や、世界との差を肌で感じることができました 。
インタビュアー: なるほど。単に現地の様子を見るだけでなく、世界の最先端での研究やビジネスの「仕組み」まで学べたのですね。
次なる目標と将来の展望
インタビュアー: 今回の貴重な経験を経て、今後の目標や、将来について考えていることを教えてください。
森島さん: 私は超音波の研究が面白く、今後は大学院博士課程でも化学工学を学び、応用研究の知識を深めていきたいと考えています 。
研究者として専門性を高めつつ、ビジネスも並行してやりきりたいという思いがあります 。
脇坂さん: 私は、この活動を通して地域の様々な方と関わった結果、もともとは就職は静岡県外に出るつもりでしたが、「静岡に残る」と決めました 。
そして、イノベーションキャンプなどで多くの社員が参加している静岡大手の企業への就職が決まりました 。
ビジネスの知見も活かして、頑張りたいと思っています。
インタビュアー: お二人の活躍は、今後の学生のロールモデルになると思います。長期的なプログラムや、イノベーション拠点も増えている中で、ぜひ後輩たちにも挑戦を続けてほしいですね。
森島さん: はい。時間と熱意があれば、学生でも学びながらビジネスも出来ます。
自由な時間があり、また技術を取得する理工系の大学生は、様々なプログラムがあるので、チャレンジしてみると良いと思います。
森島さん: 私は超音波の研究が面白く、今後は大学院博士課程でも化学工学を学び、応用研究の知識を深めていきたいと考えています 。
研究者として専門性を高めつつ、ビジネスも並行してやりきりたいという思いがあります 。
脇坂さん: 私は、この活動を通して地域の様々な方と関わった結果、もともとは就職は静岡県外に出るつもりでしたが、「静岡に残る」と決めました 。
そして、イノベーションキャンプなどで多くの社員が参加している静岡大手の企業への就職が決まりました 。
ビジネスの知見も活かして、頑張りたいと思っています。
インタビュアー: お二人の活躍は、今後の学生のロールモデルになると思います。長期的なプログラムや、イノベーション拠点も増えている中で、ぜひ後輩たちにも挑戦を続けてほしいですね。
森島さん: はい。時間と熱意があれば、学生でも学びながらビジネスも出来ます。
自由な時間があり、また技術を取得する理工系の大学生は、様々なプログラムがあるので、チャレンジしてみると良いと思います。