大学進学はあくまで通過点 ~私大独自の奨学金制度を使って~
機械工学科4年 メカトロニクス研究室
梶山拓哉さん(静岡県立榛原高等学校卒)
◆高校生の頃の私
得意で好きな科目は「数学」と「物理」、苦手な科目は「国語」、一番苦手な科目は「社会」という典型的な理系生徒でしたので、大学進学後のビジョンは必然的にと理工系分野への進学でした。受験生の頃、勉強に取り組む傍ら、進路を決める時に考えていたことは「大学はあくまで通過点」ということ。大学卒業後、「自動車の開発や設計に携わりたい」という想いを抱いていた私は、進学したその先、つまり就職や社会に出るイメージを実現できる可能性が高い大学を選ぶことを大切にしていました。
その結果、自動車やオートバイなど完成車メーカーやその関連会社がいくつもある「ものづくりが盛んな静岡県で学ぶ」という選択肢に価値を感じるようになっていきました。
◆私立大学ならではの「返還義務のない奨学金給費制度」を使う
静岡理工科大学は家から通学が出来る地元大学ですし、センター試験(現共通テスト)で3教科60%取って合格すれば、年間50万円の給費制度(4年間継続可能)*1があることを知ってから志望度も上がりました。結果として静岡理工科大学に入学し、4年間で200万の給費を得られました。そんな背景もあったおかげで、在学中にアルバイト代を貯めてハイブリッドカーを購入し車通学していました。自分で稼いだお金で大きなものを買う満足感も味わえましたし、通学は快適かつ低燃費という、充実した学生生活を送れています。他の大学に進学していたらこれは出来なかったと思います。
◆大学での私
高校生の頃は「自動車に携わりたい」と考えていましたが、2つの機会をきっかけにその気持ちが「ロボットに携わりたい」に変わっていきました。
1つ目の機会は「ロボット工学創造演習」という授業。2つ目の機会は県内の産業用機器メーカーのインターンシップに参加したことです。
ロボット工学創造演習は3年次の授業の1つで、実際にロボット設計し制作します。この時作ったロボットは、「テニスボール」と「ピンポン玉」と「唐揚げ」を掴むことができる「ロボットアームを設計する」ということです。唐揚げだけ明らかに異質ですよね(笑)。授業で使ったのは本物ではなくサンプルの唐揚げですが、質感はよくできたものでした。このロボット制作がとても面白かったですね。
そして、就職を意識する時期に、地元の産業用ロボットメーカーのインターンシップで実物を目の当たりにし、自動車よりもロボットをやりたいと本気で思うようになりました。正課の授業として導入されているインターンシップが進路選択のきっかけになりました。ちょうどこの頃、コロナウイルスが猛威を振るい自動車メーカーの工場稼働停止といったニュースも見ていた時期ということもあり、自動車業界以外にも視野を広げようとしているタイミングだったということもあるかもしれません。
ロボットの魅力は、使用される業界の裾野が広いことだと感じていました。「人口減少(労働力人口減少)」という社会問題を背景に、自動車メーカーや食品メーカーなどあらゆる工場の省力化で必要とされることもあれば、「高齢化」という社会問題を背景に医療や介護福祉の現場等でも、ロボットが活躍する場面が増えそうだという感触を、授業を通じて感じるようになりました。あの時の授業に「唐揚げ」が出てきたのも、そういうことなんだと思います。
使用される業界の裾野が広いことは十分に私のモチベーションになります。なぜなら自分が作ったり設計したりしたものがより多くの人に利用されることになるから。ものづくりに関わる技術者として、そういったものに携わることがロマンであり自分にとっての幸せになるだろうと思って就職活動にも取り組んでいました。
◆現在取り組んでいる研究
現在はメカトロニクス研究室に所属をして、「車いすの自律走行」に関する研究に取り組んでいます。私の研究はそのような技術を搭載した「新たな車いすをつくる」ではなく、現在も病院や福祉施設などが数多く所有している車いすに「アタッチメントのように取り付けられるもの」をイメージしてもらえればと思います。病院や福祉施設が全て車いすを入れ替えるには、少なくない費用が掛かるでしょうから、今あるものに付けてコスト的にもメリットがあるものの開発に繋がる研究だと思っています。
簡単に動作のイメージを説明すると、例えば、介護施設で寝室から食堂へ移動するには、『地図を読み込み、位置を把握し、所定の場所まで連れていく』という動作になります。車いすの性質上、これらを安全に作動させることが大変重要です。それ故、安全で正確に移動するためのプログラミングや制御は簡単なことではありません。
◆将来の私
将来のビジョンは大きく2つあって、1つは多くの人が使うロボットの開発や設計に携わること、2つ目はリーダーシップを発揮して後輩の育成にも携わることです。2つめは高校時代にテニス部の部長を務めた経験も関係していると思います。「梶山のおかけでうまくできた」など、人のために自分の力を費やすことにやりがいを感じる自分の価値観も大切にしていきたいと思っています。
◆終わりに
インタビューを通じて、梶山君は自身の価値観ややりがいをきちんと見つめることができる学生という印象を抱きましたが、そのルーツは高校時代の進路選択の時「自身の将来像」に思いを巡らせたことにあるように感じます。受験勉強や部活動で部長を務める最中、自分自身も見つめることを怠らなかった成果だと思います。
高校時代に身に付けた知識と勉強に取り組む姿勢、そして大学時代に吸収した専門知識と学ぶことの面白さを基に、社会で活躍する姿に期待しています。
得意で好きな科目は「数学」と「物理」、苦手な科目は「国語」、一番苦手な科目は「社会」という典型的な理系生徒でしたので、大学進学後のビジョンは必然的にと理工系分野への進学でした。受験生の頃、勉強に取り組む傍ら、進路を決める時に考えていたことは「大学はあくまで通過点」ということ。大学卒業後、「自動車の開発や設計に携わりたい」という想いを抱いていた私は、進学したその先、つまり就職や社会に出るイメージを実現できる可能性が高い大学を選ぶことを大切にしていました。
その結果、自動車やオートバイなど完成車メーカーやその関連会社がいくつもある「ものづくりが盛んな静岡県で学ぶ」という選択肢に価値を感じるようになっていきました。
◆私立大学ならではの「返還義務のない奨学金給費制度」を使う
静岡理工科大学は家から通学が出来る地元大学ですし、センター試験(現共通テスト)で3教科60%取って合格すれば、年間50万円の給費制度(4年間継続可能)*1があることを知ってから志望度も上がりました。結果として静岡理工科大学に入学し、4年間で200万の給費を得られました。そんな背景もあったおかげで、在学中にアルバイト代を貯めてハイブリッドカーを購入し車通学していました。自分で稼いだお金で大きなものを買う満足感も味わえましたし、通学は快適かつ低燃費という、充実した学生生活を送れています。他の大学に進学していたらこれは出来なかったと思います。
◆大学での私
高校生の頃は「自動車に携わりたい」と考えていましたが、2つの機会をきっかけにその気持ちが「ロボットに携わりたい」に変わっていきました。
1つ目の機会は「ロボット工学創造演習」という授業。2つ目の機会は県内の産業用機器メーカーのインターンシップに参加したことです。
ロボット工学創造演習は3年次の授業の1つで、実際にロボット設計し制作します。この時作ったロボットは、「テニスボール」と「ピンポン玉」と「唐揚げ」を掴むことができる「ロボットアームを設計する」ということです。唐揚げだけ明らかに異質ですよね(笑)。授業で使ったのは本物ではなくサンプルの唐揚げですが、質感はよくできたものでした。このロボット制作がとても面白かったですね。
そして、就職を意識する時期に、地元の産業用ロボットメーカーのインターンシップで実物を目の当たりにし、自動車よりもロボットをやりたいと本気で思うようになりました。正課の授業として導入されているインターンシップが進路選択のきっかけになりました。ちょうどこの頃、コロナウイルスが猛威を振るい自動車メーカーの工場稼働停止といったニュースも見ていた時期ということもあり、自動車業界以外にも視野を広げようとしているタイミングだったということもあるかもしれません。
ロボットの魅力は、使用される業界の裾野が広いことだと感じていました。「人口減少(労働力人口減少)」という社会問題を背景に、自動車メーカーや食品メーカーなどあらゆる工場の省力化で必要とされることもあれば、「高齢化」という社会問題を背景に医療や介護福祉の現場等でも、ロボットが活躍する場面が増えそうだという感触を、授業を通じて感じるようになりました。あの時の授業に「唐揚げ」が出てきたのも、そういうことなんだと思います。
使用される業界の裾野が広いことは十分に私のモチベーションになります。なぜなら自分が作ったり設計したりしたものがより多くの人に利用されることになるから。ものづくりに関わる技術者として、そういったものに携わることがロマンであり自分にとっての幸せになるだろうと思って就職活動にも取り組んでいました。
◆現在取り組んでいる研究
現在はメカトロニクス研究室に所属をして、「車いすの自律走行」に関する研究に取り組んでいます。私の研究はそのような技術を搭載した「新たな車いすをつくる」ではなく、現在も病院や福祉施設などが数多く所有している車いすに「アタッチメントのように取り付けられるもの」をイメージしてもらえればと思います。病院や福祉施設が全て車いすを入れ替えるには、少なくない費用が掛かるでしょうから、今あるものに付けてコスト的にもメリットがあるものの開発に繋がる研究だと思っています。
簡単に動作のイメージを説明すると、例えば、介護施設で寝室から食堂へ移動するには、『地図を読み込み、位置を把握し、所定の場所まで連れていく』という動作になります。車いすの性質上、これらを安全に作動させることが大変重要です。それ故、安全で正確に移動するためのプログラミングや制御は簡単なことではありません。
◆将来の私
将来のビジョンは大きく2つあって、1つは多くの人が使うロボットの開発や設計に携わること、2つ目はリーダーシップを発揮して後輩の育成にも携わることです。2つめは高校時代にテニス部の部長を務めた経験も関係していると思います。「梶山のおかけでうまくできた」など、人のために自分の力を費やすことにやりがいを感じる自分の価値観も大切にしていきたいと思っています。
◆終わりに
インタビューを通じて、梶山君は自身の価値観ややりがいをきちんと見つめることができる学生という印象を抱きましたが、そのルーツは高校時代の進路選択の時「自身の将来像」に思いを巡らせたことにあるように感じます。受験勉強や部活動で部長を務める最中、自分自身も見つめることを怠らなかった成果だと思います。
高校時代に身に付けた知識と勉強に取り組む姿勢、そして大学時代に吸収した専門知識と学ぶことの面白さを基に、社会で活躍する姿に期待しています。