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研究室の挑戦

地震は、必ず起こるもの。


安全な暮らしの実現のために何ができるか。

建物被害をリアルタイムで測定するシステムの開発

地震による建物被害は甚大だ。阪神・淡路大震災(1995年)では、住宅などが倒壊し、道路が通行できなくなる交通障害が起きた。
神戸市内の死者の死亡原因では83.3%の方が建物の倒壊や家具の転倒を原因とするものだった。南海トラフ巨大地震の被害想定エリアに含まれる静岡県。
静岡理工科大学の「防災構造工学研究室」では、建物の被害予測につながる研究が進められている。
 建築基準法の耐震基準は、過去に起きた震災による建物の被害状況から、次に大きな地震が発生した場合に備え、適宜改正がおこなわれている。
 現在、地震の建物被害は、文部科学省から要請を受けた専門家が発生から数日後に被災地に入り、マニュアルに基づいた目視による調査を踏まえ被害評価をしている。しかしこの方法では、余震による二次被害や調査をする人の感覚によって評価に多少の差異が生じるという課題があった。
 この課題を解決するため防災構造工学研究室では、リアルタイムで建物被害を測定するシステムの構築を進めている。そこで用いられるのが、物体の速度や衝撃、振動などの動きを計測する加速度センサだ。スマートフォンにも内蔵され、画面の自動回転や歩数計などで使用されている。計測した加速度を「変位と速度と加速度の関係」と「ニュートンの運動方程式」に当てはめて建物の被害評価をする、という構想だ。研究テーマは「地震計を用いた建物の荷重―変形関係のリアルタイム測定システムの開発」。加速度を用いた調査方法が実装されれば、自治体との連携にもつながり、面的な広がりも期待できる。二次被害の心配もなく、遠方に居ながら常に一定の評価基準に則った被害評価が可能になるだろう。

 建築基準法の耐震基準は、過去に起きた震災による建物の被害状況から、次に大きな地震が発生した場合に備え、適宜改正がおこなわれている。
 現在、地震の建物被害は、文部科学省から要請を受けた専門家が発生から数日後に被災地に入り、マニュアルに基づいた目視による調査を踏まえ被害評価をしている。しかしこの方法では、余震による二次被害や調査をする人の感覚によって評価に多少の差異が生じるという課題があった。
 この課題を解決するため防災構造工学研究室では、リアルタイムで建物被害を測定するシステムの構築を進めている。そこで用いられるのが、物体の速度や衝撃、振動などの動きを計測する加速度センサだ。スマートフォンにも内蔵され、画面の自動回転や歩数計などで使用されている。計測した加速度を「変位と速度と加速度の関係」と「ニュートンの運動方程式」に当てはめて建物の被害評価をする、という構想だ。研究テーマは「地震計を用いた建物の荷重―変形関係のリアルタイム測定システムの開発」。加速度を用いた調査方法が実装されれば、自治体との連携にもつながり、面的な広がりも期待できる。二次被害の心配もなく、遠方に居ながら常に一定の評価基準に則った被害評価が可能になるだろう。

櫻庭 柊士さん Sakuraba Shuji
(静岡県立榛原高等学校出身)
本学大学院進学

イメージしていた研究室ライフ

一日中、部屋に閉じ込められる

 「朝から晩まで部屋に閉じ込められて、先生に監視される」。
 これは他の大学で学ぶ友人に聞いた話から抱いた、大学の研究室に対する最初のイメージです。そんな私が実際に当研究室に配属されて最初に驚いたのは、研究室の環境でした。大学院生と学部生がオープンラボで交流しながら研究を進めるスタイルに、いい意味で大きなギャップを感じたのを覚えています。今では頼りになる先輩方に「どんな感じで進んでいるの?」と、気にかけてもらい、研究に関することはもちろん授業の相談もさせてもらっています。先生方もふらっと訪れて的確なアドバイスをしてくださり、適度な緊張感のある環境で研究に没頭しています。

立ちはだかる壁

研究が理解されないもどかしさ

 研究の進捗としては、今は「力」を導き出すために必要な「質量」を求める方法を探っています。建物構造の分類は大きく分けて鉄筋コンクリート・鉄骨・木造の3つ。構造ごとの「質量」を割り出せる計算式や解析方法を論文の中から探し、仮説を立て、最も整合性のあるものを測定システムで試しています。
 当初は、週に1回の研究報告会で先生から「内容が理解できない」と指摘されることが多々ありました。100%分かっていれば一般的な言葉に置き換えられるはずが、専門用語に頼った資料を作成して伝わらずに悩むときも。先生の「どんなに素晴らしい研究をしていても、誰にも理解されなければ意味がない」という言葉を聞き痛感させられました。

その壁をどうやって乗り越えたか

自分が伝えたいことをハッキリさせる

 研究内容が伝わらない。そんな状況を乗り越える過程で大きかったのが、同じ研究室に所属する先輩方の存在でした。研究報告会には研究室に所属する全員が参加しており、私が困っていた時に声をかけてもらえたり、助けを求めたりできたことが、心の支えになりました。
 先生からのアドバイスを受け、図形を用いたり、専門用語を自分の言葉に言い換えたりと試行錯誤を繰り返す中で、最も気をつけたのが「自分が何を伝えたいのか」を明確化すること。徐々に伝わる研究報告ができるようになった最近では、いろいろな論文を読んでみたり、仲間の研究内容に興味を持ったりと気持ちの面で余裕も。正直かなり苦労はしましたが、自分自身の変化を実感しています。

そして、私の未来像

豊かで安全な社会の実現に一役

 当研究室を選んだ決め手は授業で聞いた「エンジニアの失敗は多くの人の命を奪ってしまう。だから高い技術を持たなければならない」という先生の言葉でした。所属する先輩方も高い志を持って研究を進めており、この環境こそが自分の能力を向上させる要因の一つだと思っています。
 研究の最終目標は、スマートフォンで計測した加速度から、地震発生後の建物の被害評価を自動でおこなうシステムの実装です。社会資本の整備主体である自治体などと連携を密にして、実現を目指していきたいです。そして、この技術による迅速な復興計画が、次の安全で豊かな社会の土台になると考えています。

エンジニアに必要な「協調性」と「リーダーシップ」を身につける。

 実装を目指すリアルタイム測定システムの開発は、多くの人が持っているスマートフォンを活用する点が特徴です。機種変更の際に古いスマートフォンを残しておくだけで、構造が異なる建物だけでなく、今までは立ち入りが難しかった集合住宅の専有部の評価も可能となるでしょう。建築のエンジニアは、さまざまな立場の人から構成されるチームで、互いに協力しながらプロジェクトを推進していきます。そのため周囲とのコミュニケーション能力が欠かせません。そして、課題に直面したときには、チームを牽引していく能力も必要です。そのため研究室の学生には自身が中心となり、周りを巻き込んでいく力を身につけてほしいです。

崔 琥 教授 Choi Ho
理工学部 建築学科
防災構造工学研究室

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