晴れ予報なのに急なゲリラ豪雨という経験、一度はありますよね。ゲリラ豪雨の瞬間、雲の中では何が起きていたのでしょうか。このようなナゾに迫るため、富士山で「雲を集めて調べる研究」が進んでいます。では、その調べ方をのぞいてみましょう。
富士山の山頂で雲の“てっぺん”の粒を集め、五合目からはドローンで雲の“底”の粒を採取します。小さなセンサーで粒の大きさや数、混じっている物質を測定。上と下の雲を比べると、雲が育つ速さや雨粒が生まれるタイミングが見えてきます。例えば、粒が一気に増えて、サイズのばらつきが広がるのは、雷雲が急成長するサインです。また、雲の粒に混ざる汚れを追えば大気汚染の流れも分かり、環境対策のヒントにもつながります。富士山は観測に絶好の、いわば“空の交差点”。データを集めるには適した場所なのです。
日本一の山で雲をつかまえる——想像するだけでワクワクしませんか。理系の学びは、空の不思議を暮らしに役立つ知へと変えてくれます。次に富士山を見上げたら、雲の形や風向きを観察してみてください。あなたの好奇心が自然の不思議を解明することにつながるかもしれません。
みかんは甘いほどおいしい——そう思っていませんか? でも「今日のみかんは甘いけど、なんかおいしくない」と感じることもありますよね? 実はその違い、理系の目で説明できます。味を“なんとなく”から“なるほど”に変えてみましょう。
みかんのおいしさのカギは、甘さと酸っぱさのバランス。これを「糖酸比」といい、糖酸比は、糖度÷酸度で計算します。おいしいと感じる目安の数値は、およそ12〜16。数値が大きすぎると味がぼやけ、逆に数値が小さすぎると酸っぱく感じます。三ヶ日みかんは、日当たりと水はけのよい畑で糖度を増し、収穫後に日陰で風に当てる「予措(よそ)」で糖度と酸度のバランスをおいしいと感じるように整えています。さらに最近はおいしさだけでなく、GABAやβ-クリプトキサンチンといった体にうれしい成分にも注目が集まり、機能性表示食品としても展開されています。
次にみかんを食べるときは、甘さだけでなく酸っぱさとの“ちょうどいい”バランスにも注目してみてください。身近なみかんが、科学の入り口に変わります。理系の視点で味を読み解けば、毎日の“おいしい”がもっと面白くなるでしょう。
渋滞を飛び越えて、旅行先に行くことができたら……。これ、SFの映画の話ではありません。日本を代表する自動車関連企業が集まる静岡では、“空飛ぶクルマ”に通じる技術開発が進んでいます。あなたなら、どんな空の移動を実現したいですか。ヒントは、身近なところにあります。
その一例が、山の集落に薬などを届けるドローン宅配です。ドローンはプロペラで真上に浮かび、狭い場所にも着地できます。本学の機械学系研究室では、回っている最中でも羽根の角度を変えられるプロペラを研究。曲がる・止まる・静かに降りるという動作が、より滑らかになるよう取り組んでいます。そして、ドローンの技術を人が乗れる電動の空の乗りもの「eVTOL」に応用すれば、空からの通学や救急搬送も夢ではありません。政府は2027〜2028年に「eVTOL」の商用化を目標にしており、静岡からもチャレンジが続いています。
機械工学を学べば、プロペラや軽くて強い素材、賢い操縦の仕組みなどを設計できます。次に空を見上げたら、あなたの設計した空の移動を想像してみると面白いかもしれません。理系の力で、移動の当たり前を塗り替えましょう。
サウナで頭がスッキリ、体がフワッと軽い。このような“ととのう”を味わったこと、ありませんか? そのとき体の中では何が起きているのか。もし気持ちよさを数字で確かめられたら、自分に合うサウナの入り方が見つかるはず、という発想から始まった挑戦を見てみましょう。
この挑戦を進めているのが、本学の電気電子情報系研究室です。高温多湿でも使える小型センサーで、心拍のリズムや血のめぐり、肌温度の変化をリアルタイムに記録し、グラフにします。例えば、サウナ→水風呂→外気浴の順番や時間を変えて比較すると、それぞれ入っている心地よさのピークや不快に感じるタイミングなどが分かり、感覚だけに頼らずベストな入り方を設計することができます。要するに気持ちよさを、誰にでも共有できるデータに変える試みです。介護施設や病院での体調見守りへの応用も期待されています。
次にサウナに入るときは、脈や呼吸のリズムを意識してみては。気持ちいいを観察し、言葉と数字で説明する——それが理系の第一歩です。あなたの気持ちいいが、誰かの健康を支える新しい挑戦へとつながる可能性があります。

浜名湖の名産といえば、ウナギですよね!どうしておいしいウナギが採れるのか、気になりませんか?
浜名湖は、川の水と海の水がほどよく混ざり合う「汽水湖」です。このバランスのとれた環境があるからこそ、ウナギの子どもであるシラスウナギが元気に育ち、全国でも知られるウナギの産地となっています。自然のしくみと生き物の反応が直結している浜名湖は、自然のルールを学べる場所だといえるでしょう。
しかし、この理想的な環境は、何もしなくても保たれるわけではありません。浜名湖と海をつなぐ出入り口は、波の影響で砂がたまりやすく、放っておくとふさがってしまいます。反対に広がりすぎると湖の中の塩分濃度が高くなり、生き物に負担がかかります。こうした変化は、ウナギが湖に入りにくくなったり、育ちにくくなったりする原因になります。
そこで活躍しているのが、水や砂の動きを計算して自然環境を整える土木工学の技術です。堤防で浜名湖と海をつなぐ出入り口の形を調整し、たまった砂を別の場所へ移すことで、水の流れを安定させています。ウナギのおいしさの裏側には、自然を観察し、理屈で考え、支える理系の力があります。あなたの探究心が、これからの静岡のおいしい食を支える力になるかもしれません。
自分の推しに会って、歌声を全身で感じてみたい。そんな気持ちになったこと、ありませんか。もしあなたの部屋が一瞬で、推しのライブの最前列になったら? この願いを叶える技術が、音楽のまちである静岡で動き始めています。
その技術は、音を立体的にコントロールして空間で“制御する”発想にあります。“音を制御する”研究に挑んでいるのが、本学の音響研究室です。音の向きや距離、広がりをきめ細かく操り、コンサートホールなどで生まれる音をできる限り忠実に再現。スピーカーの台数や配置に頼らずに狙った場所に音を届け、目の前に立つ気配、ステージの雰囲気をつくりあげて、部屋をライブ空間に変えます。
さらにAIを用いた合奏では、あなたの伴奏に合わせて歌が重なり、推しと共演することも可能に。推し活は聴くだけから、いっしょに音を奏でる体験へと進化中です。
理系の学びは、音と感情の距離を縮める力になる可能性があります。次にお気に入りの曲を流すとき、音の響く道を想像してみてください。「聴く」を設計する未来、その担い手はあなたかもしれませんね。
宇宙と深海、あなたはどちらのナゾにワクワクしますか? 静岡が誇る駿河湾は日本一深い湾で、最大水深約2,500m!まだ名前もない生き物が眠る“宝の海”でもあります。
しかし、舞台は深い海だけではありません。駿河湾の浅い海にも海の宝を探すヒントがぎっしり。本学の研究室では、これまで見過ごされてきた駿河湾の浅い海に見られる海藻に注目しています。沿岸で集めたサンプルを乾燥させて成分を取り出し、菌の増え方を調べたところ、食中毒や肺炎の原因となる菌を強く抑える物質が見つかりました。市販薬と同じくらい、時にはそれ以上の働きを示すものも。さらに、どの海藻がどの季節に力を発揮するかを地図とカレンダーに重ね、次の一手を探っています。
海の生き物の約九割は、まだ正体不明だと言われています。理系の学びは、未知の領域へ自分の手で踏み出すための切符です。次に駿河湾を眺めるときは、波の向こうに研究の入り口を思い描いてみてください。フィールドで集め、実験室で確かめ、世界へ届ける。次の新しい薬の出発点は、あなたが拾い上げた一片の海藻かもしれません。
静岡の名産といえばお茶です。しかし、その茶畑を支える生産者の高齢化や人手不足は、年々深刻な課題となっています。長年培われてきた職人の「勘と技」をどう次世代へ受け継ぎ、静岡茶の品質を守っていくか。この難題に挑んでいるのが、データとアルゴリズムの力で農業を進化させる「スマート農業」であり、本学の情報技術です。
お茶づくりをデータサイエンスの視点で見つめ直すと、茶畑は巨大なデータの宝庫に変わります。ドローンや人工衛星による画像解析で広大な茶畑のわずかな病変を特定し、土壌センサーで最適な水分量を24時間監視する。さらに、熟練の職人が新芽の成長を見て判断していた「最高の収穫期」を、AIに気象データや画像データを学習させることで紐解いていく。これまで見えなかった「経験の技」を可視化することこそ、情報学の真骨頂です。
伝統あるお茶づくりは今、最先端のテクノロジーが躍動する現場へと変わりつつあります。次に湯のみを手にしたとき、その一杯を支えるデータや仕組みに思いを巡らせてみてください。地域に根ざしたキャンパスで、あなたの発想やプログラミングを掛け合わせる。それが、静岡茶の未来を切り拓く確かな力になるはずです。

「練習ではできるのに本番で点が取れない…なぜ?」そんな悔しさはありませんか。サッカー王国の静岡では、その理由を科学の目で探る研究が進んでいます。スキルだけに頼らない勝ち方、気になりませんか。
その答えのひとつがパフォーマンス分析。試合の動きを“見える化”して勝ち筋を探します。位置情報や試合映像から、どこを走ったか、いつパスしたか、どこでボールを奪ったかを数字に。色分けした地図やパスのつながりを図にすると、空いているスペースや味方の重なりが一目で分かります。「右サイドへの走りが増えた時間帯に決定機が多い」などの傾向も見えてきます。プロの試合では、ハーフタイムに結果を共有し、後半の狙いをその場で組み直すことも。本学でも、こうしたデータの作成と活用を研究しています。
また、データを見るチカラはピッチの外でも武器になります。理系の視点で試合を読み解き、分かりやすく伝えて選手を支え、チームを強くするアナリストという道もあります。次に試合を観戦するときは、読み解く目で見てみませんか。あなたの分析が、サッカーをアップデートするかもしれませんよ。
緊急地震速報が鳴ったら、あなたはどう動きますか。南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくありません。揺れも津波も止められない——だからこそ「どう守るか」を設計で考える出番です。あなたならどんな一手で街を強くしますか。
静岡県では、倒れにくい建物を増やし、海沿いの壁や水門を高く強くしています。高台へ避難できる階段やタワーを配置し、道路や橋も高くしたり、公園や学校を避難先として線で結び、案内サインと明かりで夜でも迷わない道にしたり。色分け地図で浸水しやすい場所を見える化し、歩いてルートを確かめます。人の流れを仮想で試し混雑を分散、ベンチやトイレまで含めて“逃げ切れる街”を設計します。こうした実例は、本学の建築・都市デザイン学部では“生きた教材”として活用しています。
震源に近い場所だからこそ、準備は机上で終わりません。地図を読み、数字で裏づけ、図面を行動に変える。その積み重ねが命を守ります。次に街を歩くとき、標識や高台を“防災の地図”として見てみてください。理系の発想で、安心を目に見える形へ。あなたのアイデアの一本の線が、誰かの命の通り道になります。
机の上に並ぶプラモデル。いつも飲み物を飲むときに使うペットボトル。これらが将来、誰かの命を救う技術につながるとしたら? 見慣れた素材でも、役割はガラリと変わる可能性を秘めています。あなたなら、プラスチックで何を生み出しますか?
温度や光で性質が切り替わるプラスチック。いわばかしこいプラスチック。それは、スマートポリマーです。体の中で必要な場所だけでほどけて薬を放出したり、薄い膜にして菌やウイルスを寄せつけない壁になったり。患部を体の外から見えやすくする材料として、撮影を助ける使い方もあります。さらに、ペットボトルのPETを分解して成分に戻し、その成分を組み替えて薬の原料となる分子をつくる研究も進行中。使い終わったペットボトルが“役立つ分子”に生まれ変わる——分子のブロック玩具で機能を組み立てる感覚と言えるでしょう。
次にプラモデルやペットボトルを手に取ったら、素材の向こうに広がる未来を想像してみてください。化学や材料に生物の知識がつながると、身近なプラスチックが医療や環境の解決策に変わります。あなたのひらめきが、新しい治療への一歩を生み出すかもしれませんね。